【斬魔大聖デモンベイン】


-レムリア・インパクトォォォォッ!-
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あらすじ

科学と魔導技術によって栄華を極めた都市アーカムシティ。眠らないその街に住む貧乏私立探偵・大十字九郎(だいじゅうじ くろう)は、ある日アーカムシティの実質的支配者、覇道財閥よりとある仕事を依頼される。

その仕事とは、アーカムシティのどこかにあるとされる魔導書の捜索。

そのさなか、アーカムシティの闇に蠢き悪事をはたらく秘密結社「ブラックロッジ」と、謎の少女との抗争に巻き込まれてしまう。彼女の正体は、「意志のある魔導書」アル・アジフだった。

窮地を切り抜けるため、流されるままに彼女と契約した九朗は、さらに覇道財閥の所有する正義の巨大ロボット・デモンベインに乗り込み、ブラックロッジとの熾烈な戦いの中に身を投じていく。


チェックポイント!

アメコミテイストの、スーパーヒーロー物語

「装甲悪鬼村正」を生み出したメーカー、ニトロプラスの作品である。

本作では、「装甲悪鬼村正」の「善悪相殺」といった概念は表現されず、単純明快な「勧善懲悪」ストーリーが展開される。

明らかに某アメコミを意識していることが明白な「アーカムシティ」という街や、その他巨大ロボ、悪の組織、謎のヒーローなど、エンターテイメントの王道を行くすがすがしい作品だ。


美麗なCGの世界観に酔いしれる

本作の視覚的な特徴として、そのCGとアニメーションの美しさが挙げられる。

主人公の変身シーンなどで挿入されるアニメーションは、戦いの気分を高揚させ、欧米の都会風の街並みは異世界感を存分に演出してくれる。

ライトノベルではどう頑張ってもカバーすることができない、ゲームならではの利点である。

ラノベ作家は、これに対抗するために文章力を徹底的に磨かなければならない。改めてその決意を胸に刻ませてくれる。

連作短編を書きたい人へ

連作短編とは、連続した複数の短編が一つの大きなストーリーを織りなすものを指す。

ライトノベルで言えば、「キノの旅」 「ダンタリアンの書架」 「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」 「僕は友達が少ない」 等が該当する。

連作短編は人気を得られやすいが、中々にハードルは高い。

通常、連作短編では一冊の本の中に5〜10の短編を盛り込むのが普通なのだが、それぞれの短編には独立したネタを仕込む必要がある。

例えば「僕は友達が少ない」では、この短編では部室でゲームをやって、この短編ではヒロインの家で勉強して、この短編ではみんなで海へ言って……と、一冊の中にそれぞれ独立したネタが必要なのだ。

通常の長編作品では、「みんなで海へ行く」というワンアイディアだけで突っ走ることも可能だ。もちろん、そのワンアイディアの中でもいくつかのイベントをつなぎ合わせる必要はあるのだが、連作短編と比べたらアイディアの数は少なくてすむ。

本作「機神咆吼デモンベイン」は14章+最終章と、エロゲーの中ではかなり章数が多いのだが、実際にプレイしてみると、一つの章の長さが通常のエロゲーに比べて短いのだ。大体1〜2時間もあれば終わる。

つまり、連作短編の形態をとっていると言えるのだ。。

それぞれの章も「日常描写→主人公が仕事を依頼され、現場に向かう→何か異変が起きる→敵とのバトル→敵の親玉登場→主人公絶体絶命の大ピンチ→奇跡の大逆転」という構造をとっていることがほとんどだ。

かたくなにこの構造が守られるため、本作をプレイしていると自然と連作短編の構成が理解できるようになってしまうのだ。某有名出版社の基本理念ではないが、「面白くてためになる」エロゲーなのである。

ある意味本サイトの趣旨を一番お伝えできる作品かもしれない。

また、本作はそれだけでなく「主人公とヒロインがバディを組む」という定番の設定を学ぶにも役に立つ。

主人公、大十字九郎と魔導書の少女アル・アジフはお互いのどちらかがかけても本来の力を発揮できない「一心同体」の存在なのだ。

なぜなら、魔導書はそれを使ってくれる魔導士が必要であり、また、魔術師である大十字九郎も、魔導書がなければ超常の力を持つ「ブラックロッジ」にはとてもとても対抗できないのだ。

この「バディ」という存在はライトノベルでも「ゼロの使い魔」「緋弾のアリア」等多くの人気作で取り入れられている。

ヒロインと主人公が衝撃の出会いを果たし、最初は外からの強制力で共に行動し始め、やがてお互いの気持ちに気づき……というのはバディものの基本の流れだ。テンプレートと言い換えてもいい。

この流れを、本作の九朗とアル・アジフの関係から学び取っていくことができる。彼らがお互いを通してどのように成長してくのか、注目してもらいたい。

まとめ

いかがだっただろうか。

最後に「バディ」についてもう少し述べておこう。我々はみな誰かに必要とされたいという感情を持っている。 誰からも必要とされないのは非常に辛く、自殺の大きな原因にもなりうる。

思春期の子供たちは、ライトノベルを読む時に主人公に自己投影してものがたりを読み進める。 つまり、主人公がヒロインから存在を求められることは、自分の存在が求められるという疑似体験をさせてくれるのだ。 だからこそバディものは受ける。

もっとも、こういった考察は読んでいてあまりいい気分にならないのは筆者も理解している。ライトノベルの対象読者である中高生はこんなことなど知らなくてよい。

しかし、ライトノベルを書く側のあなたは知らなくてはならない。考察しなくてはならない。 あなたがこれから世に送り出すであろう作品とは、「商品」でもあるのだ。 「商品」の存在意義とは、消費者の不満を何らかの形で解消することができるものなのである。

筆者はこの作品紹介ページを書く前に、弁当屋でからあげ弁当を買った。なぜならお腹がすいており、からあげ弁当はその空腹を満たしてくれるからだ。 広い意味ではライトノベルも同じである。あなたの作品は、読者のどんな不満を解消してあげられますか?


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