あらすじ

主人公、伊藤誠（いとう まこと）は榊野学園へ通う平凡な高校生。

ある日彼は、以前から登校中に時々同じ電車で見かける隣のクラスの美少女、桂言葉（かつら ことのは）に思いを寄せていた。

「好きな相手を携帯電話の待ち受け画面にして、3週間隠し通したら想いが叶う」

ある日、誠は意を決して学園に伝わるこのおまじないを実行に移したが、クラスで隣の席に座る少女、西園寺世界（さいおんじ せかい）に、早々に見つかってしまう。

そのお詫びとして、世界は言葉と誠の間を取り持つ事を約束するが、やがて展開は思わぬ三角関係に発展していく――

チェックポイント！

”あのシーン”があまりにも有名な作品

本作もかなりの有名作品と言えるだろう。

某動画サイトなどで、ヒロインが主人公を斬殺する、ヒロイン同士で殺し合うなど、本作の凄惨なシーンが取り上げられている。

「中に誰もいませんよ？」をはじめとする、この界隈であまりにも有名なセリフが多数登場し、パッケージのさわやか学園風の絵柄からは 想像もつかないほどの愛憎劇が繰り広げられる。

業界に衝撃が走った、”全篇アニメーション”作品

近年のエロゲーには、見せ場でアニメーションが入る作品は多い。 しかし、本作のすごいところはなんと”全篇アニメーション”で作られているところだ。

プレイヤーはさもアニメを見ているように本作を「鑑賞」する。 このことから、エロシーンの実用度はかなり高い。

桂言葉の快楽に打ち震える騎乗位や、西園寺世界の屋上の金網にしがみつきながらの立ちバックなど、アニメーションの特性をフルに活用した官能的なＨシーンを見ることができる。

そんなのエロアニメと何が違うんだと思われるかもしれないが、エロアニメの実用度だけに特化したエロシーンと違い、本作はエロゲーとして濃密なシナリオを読み込んだ上でＨシーンに至るため、興奮度が違う。

究極の”ヤンデレ”を書きたい人へ

「ヤンデレ」という言葉を知っている人は多いだろう。

一応説明しておくと、主人公を自分の物にするためなら手段を問わずに常軌を逸脱した行動をとるタイプのヒロインのことである。

基本的な行動としては、主人公が自分だけを見るように、主人公と周りの関係（特に女関係）を一切遮断するというものであり、そのためなら平気で刃物、銃器を振り回す。

自分以外の女が主人公にキスを迫ろうものなら、気が狂ったように雄叫びを上げ、斧を振り回し、マシンガンをぶっぱなす。

完全に危ない人だが、ヤンデレヒロインにはなぜか熱狂的なファンがつくことが多い。

その理由としては、正気ではいられないほどヤンデレヒロインに愛される主人公を自分に重ね合わせて”愛される”という人間にとって何物にも代えがたい至福を感じられるからだ。

さて、本作に登場する究極のヤンデレヒロインこそ、桂言葉その人である。 彼女は物語の序盤ではおとなしくて引っ込み思案な普通の女の子だった。 しかし物語が進み、主人公の誠と親密になっていくにつれて、彼を失うことを極度に恐れるようになる。

セックスが怖くて中々誠との仲を進展させられずにいたが、そのことで彼が別のヒロインである世界に心が傾きかけていることを感じ取ると、勇気を振り絞って誠と体を重ねるなど、その恋愛感情は本物である。

しかし時すでに遅く、誠が世界と結ばれてしまった時に言葉のとった行動は……是非とも本編で確認してほしい。

この作品、バッドエンドでは流血祭りな展開になり、自殺、メッタ刺し、殺し合いが繰り広げられるかなりスプラッターな側面がある。

しかし、普通の女の子だった言葉がヤンデレヒロインに変貌してく姿が詳細に描写されるため、ヤンデレキャラを書く際にその背景設定までも包括して考える時に非常に参考になる。

”School Days”をプレイして、ヤンデレヒロインを描いてみよう。

まとめ

いかがだっただろうか。
今回は桂言葉の「ヤンデレ性」に焦点を当てたが、本作はそれ以外にも女同士の嫉妬やいじめといった女性特有の社会を垣間見れるという特徴もある。

男性の作家がライトノベルを書くと、どうしても女性キャラクターに無意識の内に男にとって都合の良い行動や言動を取らせてしまうことが多い。 ライトノベルの主な読者層は中高生の男の子のため、これが一概に悪いとは言わないが、行き過ぎて女性キャラクターのリアリティを損なってしまっては意味がない。

そんな罠に陥ることも”Shool days”をプレイすることで幾分か防げるようになるだろう。

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