痕-きずあと-


-…耕一さん……あなたを殺します-
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あらすじ

大学の夏休み、主人公の耕一は父親の葬儀のため従姉妹4人の住む屋敷へとやってきた。

葬儀後のある日、彼は奇妙な夢を見るようになる。それは、自分の中で凶悪な何かが飛び出そうとしており、それを必死で押させている夢。

やがて夢の中で人を殺してしまう映像を見た彼は、とうとうこの謎めいた夢の真相の解明に乗り出す。

徐々に明らかになる自分たちの家系に流れる「呪われた血」の真相。

遥か昔に起こった「悲しき対立」、その真実とは――


チェックポイント!

エロゲーの古典

本作が発売されたのは1996年、およそ18年前の作品である。

その後2002年、2009年と2度のリメイクを経ている。筆者がプレイしたのは2009年のリメイク版だ。

リメイク版の主な変更点は、キャラクターデザインの一新と、フルボイス化(主人公以外)、そして新キャラクターの追加である。

リメイクを経ても良さは失われていないので安心してほしい。


Leafを現在の地位まで押し上げた出世作

今でこそ「WHITE ALBUM2」や「To Heart」という泣く子も黙る名作を擁する一流エロゲーメーカーとなった「Leaf」だが、立ち上げ当初はヒット作に恵まれず、苦しんでいた。

そんな中、ビジュアルノベルシリーズの第一弾として発売された「雫」が、にわかに注目を集め、続く本作の「痕」も大ヒット。

これらの作品が、のちに発売される「To Heart」につながる成功を収めた。


「Leaf」を語る上で忘れてはならない作品の一つである。


”血筋”の宿命を書きたい人へ

「血筋」は、ヒット作品の一因をなす重大な構成要素である。

例えば「ONE PIECE」の主人公ルフィは、革命家ドラゴンの息子とうい”血筋”を背負っている。

「ONE PIECE」は主人公以外にも、主要キャラは何らかの偉大な人物の”血筋”を背負っていることが多い。

また、「ナルト」の主人公、うずまきナルトは、天才忍者で四代目火影・波風ミナトの息子という”血筋”だ。

さらに列挙すると
幽助(幽遊白書)……魔界三大妖怪、雷禅の息子
ゴン(HUNTER×HUNTER)……伝説のハンターである、ジンの息子
越前リョーマ(テニスの王子様)……伝説のテニスプレイヤーである越前南次郎の息子
といった具合に、枚挙に暇がない。

”血筋”は、その血を引くキャラクターを特別足らしめ、何がしかの才や特殊能力を与える反面、力の暴走や周囲のしがらみでその人物を 縛り付けるといった十字架をも同時に背負わせるパターンが一般的だ。

本作「傷痕-きずあと-」に出てくる主人公と4姉妹も、彼らの家系「柏木」に流れる呪われた血の宿命に苦しめられることになる。

”血筋”は生きている限りその人物に付きまとう”宿命”であり、どれほど苦しもうが決して避けては通れない運命でもある。

自分だけがどうしてこんなに苦しまなければならないのか、こんな思いをするくらいならいっそ死んでしまおうか。

そんな孤独な自問自答の先に主人公はどんな決断を下すのか。こういった葛藤に人々が興味を示さないわけがない。

世の中の多くの人々は「なぜ自分だけが」という悩みを一度は抱えたことがある。しかしほとんどの人の場合、それは「自分だけ」ではないのだ。

だけれども、他人の悩みを知る機会などそうそうあるものではないから、ありふれた自分の悩みがまるで世界で自分だけが背負わされた呪いのように感じることがある。

だからこそ、物語の中のキャラクターがどうしようもないしがらみで苦しむのを見ると、思わず共感してしまうのだ。

「痕-きずあと-」をプレイして、「血筋の宿命」を描いてみよう。

まとめ

いかがだっただろうか。
最後に「リメイク」版をプレイする際の心構えについて書こうと思う。

エロゲー原作の作品がアニメ化されて駄作になった、漫画原作の作品が舞台化されて汚された
こういった言葉はよく聞く。いわゆる「原作レイプ」である。

世の中に存在するあらゆる作品は、それが初めに登場した媒体のもの、つまり「原作」が一番すぐれていることが多い。
上記は媒体をまたいでいる例だが、例えば本作「痕-きずあと-」のように、エロゲーという同じ媒体だけれど原画が変わったりボイスがついているといった場合もある。

また、エロゲーがコンシューマー化する場合も注意が必要だ。 判断基準としては、やはり周りの評価だろう。

今では簡単にインターネットでリメイクやクロスメディア化された作品の評価を知ることができる。 そこで酷評されていれば、やはり多少媒体が古くなっても原作をプレイすることをお勧めする。

筆者も本作「痕-きずあと-」が1996年発売の作品と知っていたので、プレイする前にしっかりとリメイク版の評判を調べてから購入に踏み切った。
便利な時代になったものである。

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