あらすじ

主人公の少年、白川悠には三人の義姉がいた。

母親が亡くなり、十数年ぶりに義姉と暮らすことになった悠は、彼女らの家の書斎で怪しげな瓶を発見する。

その瓶の説明書きには、この瓶に触れた者には呪いがかかる。その呪いを解くには、女性の体液で瓶を満たすこと、と書いてあった。

瓶の数は合計１０本。

果たして彼は無事に呪いを解くことができるのだろうか。

チェックポイント！

抜きゲーメーカー、アトリエかぐやの人気作

数々の名作抜きゲーを発売しているエロゲーメーカーの有、「アトリエかぐや」の作品である。

恐らく抜きゲーの完成度としては、エロゲーメーカーでもトップ３を争うほどのメーカーだ。

その人気の高さから、シリーズ化、アニメ化も果たしている。

「汁ゲージ」システムを搭載

女性の愛液を集めるというのが本作品のメインだが、それにともなった「汁ゲージ」というシステムを採用している。

各ヒロインとのエッチシーンで、愛液を集めているのをばれないように選択肢を選んでいくと「汁ゲージ」が溜まっていき、その愛液の配合バランスでルートが分岐するという斬新すぎるシステムを採用している。

また、選択肢を間違えすぎると瓶のことがばれてしまい、そこでそのキャラクターのルートは閉ざされてしまうという緊張感も良い。

姉物が書きたい人へ

ライトノベルには「妹」をテーマとしている作品は溢れかえっている。

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を始めとし「この中に１人、妹がいる！」「最近、妹のよすうがちょっとおかしいんだが」などなど、少々食傷気味だ。

であるならば、これからは「姉」で攻めてみるのも一興ではないだろうか。

「年上のお姉さんに攻められたい」というのは、男ならば誰もが潜在的に持っている願望である。

どれほどの強気でオラオラな性格の男性でも、年上のお姉さんから「カワイイ」と言われれば、思わず顔がほころぶものだ。

ましてや、ライトノベルのターゲットである中高生くらいの年齢の男はまだ精神的にも成熟しておらず、こういった傾向が強い。
上級生の頼れる女の先輩に、淡い恋心を抱いたことのある男性も多いのではないだろうか。

本作「姉汁」は、とにかく「年上のお姉さんから攻められる」というのがテーマとして徹底している。

義弟である悠に対して、年上の余裕を見せつけながら迫っていく長女、次女の大胆な攻め方に、多くの男性プレイヤーは心をときめかせた。

三女である「杏子」だけは、真面目でゆうずうの利かない性格で、姉たちが悠とエッチな事をしているのを発見するたび顔を真っ赤にして止めに入るという場面がしばしばある。

しかし三女である未熟さから姉たちに軽く手玉に取られ、あえなくエッチに参加させられてしまう姿はなんとも微笑ましい限りだ。

３姉妹の性格も様々であり、「どＳな長女」「お調子者の次女」「真面目で意地っ張りな三女」と、キャラクターの書き分けの際に参考にできる点も多い。

「姉汁」をプレイして、「姉に攻められ物」を書いてみよう！

まとめ

いかがだっただろうか。
本作は紛れもなく抜きゲーであるが、だからといってシナリオがおろそかにされている訳ではない。 そもそも「抜きゲーはストーリー性が薄く、泣きゲーはエロくない」なんて誰が決めたのだろうか。

悲しいことに、こういった誤解はエロゲーマーの間でも広く認識されている。 確かに「超エロくて、超泣ける」エロゲーの数は少なく、エロかストーリーのどちらかに特化している作品がほとんどだ。

しかし、「泣きゲーでありながら抜けて、抜きゲーでありながら泣ける」作品は確かにある。

例えば「SEX FRIEND」は、エロの側面を全面に押し出しているが、早瀬美奈というヒロインの心の闇に深く踏み込むことで立派にシナリオゲーとしての地位を確立している。 また「WHITE ALBUM2」は泣きゲーとして認知されているが、実はエロシーンの実用度は高めである。

もちろんこれらの主張に異議を唱える人も多いだろう。しかし筆者が伝えたいのは、作品を画一的な視点で捉えないでほしいということだ。 「この作品は抜きゲーだから、泣きゲー派の俺は手を出さない」という固定概念は、大きな損失をもたらすこともある。 創作者を目指す方は、基本姿勢として「あらゆるものにとりあえず手を出してみる」気持ちを忘れないでほしい。

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