あらすじ

“言葉と旋律” の物語

6つの物語によって奏でられる旋律――　“言葉と旋律” の物語

”高島ざくろが自殺した”
狂い始める世界。謎の言葉、終の空
運命の7月20日まであと――

チェックポイント！

これぞ電波ゲー

物語の序盤はまったく訳のわからない状態が続くため、ある程度の忍耐力がないと挫折してしまう可能性が高い。あらすじも非常に書きづらかった。

扱っているネタも、哲学、宗教、いじめ、薬物、レイプ、ふたなり、レズ、ホモなどてんこ盛り。

この作品を最後までプレイできた人は、かなり許容範囲が広い人だといえるだろう。

激カワヒロイン、橘希実香

本作を紹介する上で是非とも注目していただきたいのが、ヒロインの一人、橘希実香である。

この少女、正確も言動も尋常とはかけ離れているのだが、とても不器用で可愛くてしょうがない。

また、一緒にいじめを受けている高島ざくろをかばうため、わざといじめっ子の気に入らない態度をとって、いじめの矛先を自分に引き付けるという情の熱い側面も持っている。

そしてある時いじめっ子に立ち向かうという決意をかため、ナイフや催涙スプレーはもちろん、スタンガン、特殊警棒、爆薬までを持ち出す手段を択ばない過激な女の子だ。

実は性格に反して寂しがりやで、高島ざくろを好きになってしまった時は彼女を取られまいと間宮卓司に喧嘩を売ってことごとく敗北する。

もうカワイすぎて惚れてしまいます、はい。

考察サイトは必須

本作を一度プレイしただけで、物語を完全に理解できる人はそうそういないだろう。

物語の中盤から後半にかけて、前半で意味不明だった部分が次々に解明していくが、それでもすべてが明かされることはない。

文学作品の「鏡の国のアリス」 や、哲学者「ヴィトゲンシュタイン」などから多く引用するため、こういった分野が好きな人にはたまらない。

ライトノベルにおいては、こういうタイプの作品はあまりないが「涼宮ハルヒの憂鬱」や「とある化学の禁書目録」など、宗教や哲学を重要なファクターにおいた作品は、歴史的ヒットを飛ばすことがある。

電波キャラを書きたい人は、本作は多いに参考になるだろう。男女ともに電波な人間がわんさか登場する。最初はまともだったのに、途中から電波になるキャラもいる。

ちなみに本作は「グロい」とよく言われているが、筆者にはそうは思えなかった。確かに一部、キャラクターが頭から血を流しているような描写はあるが、マヴラヴオルタネイティブの「あれ」に比べたら何ともない。

必要以上に心配することはないだろう。

まとめ

色々と語ったが、本作が面白いか面白くないかで言えば、自信をもって「面白い」と答える。

エロゲーでしかできない表現をふんだんに使用しているため、非常に自由度が高く、ライターがのびのびと表現しているのが感じ取れる。

枠にとらわれないという創作の姿勢を学ぶにも、本作は一役買ってくれるだろう。

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