あらすじ

尽生学園の2年生、主人公の高辺智弘は平凡な高校生。

ある日、クラスメイト早瀬美奈の「ねぇ、エッチしない？」という驚愕の言葉をかけられ、そのままなし崩しに初体験をしてしまう。

それからというもの、来る日も来る日も教室で、保健室で、野外でと、誘われるがままに底無しの性欲を持つ早瀬と肉欲に溺れてしまう。

軽口をたたき合う程度の関係から「セックスフレンド」になった二人だが、当の美奈は高辺の事を好きなのかあいまいなまま

つかみどころがなく、自由奔放に見える彼女。しかし彼女が他人の体を求めるようになったのには、悲しい過去が関係していた。

チェックポイント！

これぞ、エロゲー

エロゲーの元祖とも言える作品である。

10年以上も前の作品だが、早瀬の小悪魔的なキャラや、官能的なエッチシーンは多くのファンを獲得し、今でも玄人エロゲーマーの間で人気が高い。

エロアニメ化も果たしており、ヒロイン早瀬美奈の声優ダイナマイト亜美の人気を確立した作品である。

意外と”シナリオ”している作品

本作は、そのタイトルやパッケージから、単純明快な抜きゲーと勘違いされがちであるが。

もちろん、本作はエロシーンの種類、長さとも充実しており、十分に抜きゲーといって差し支えない。

ただし、後半に入って早瀬の悲しい過去が明らかになってくると、トラウマからくる自己承認欲求に飢える少女の暗い心の内に踏み込む重い内容に変貌していく。

小悪魔ヒロインを書きたい人へ

「早瀬は俺の嫁」「早瀬が初恋でした」など、本作のヒロイン早瀬の絶大な人気はすさまじいものがある。

彼女は言葉巧みに主人公を誘い、セックスにも積極的で自分から主人公の体をどんどんむさぼっていく。

また、勉強やスポーツもよくでき、とらえどころのない猫のような性格は、男心をがっちりとつかんで離さない。

と、実はこのようなキャラクターは他にも多くのエンターテイメント作品で存在する。

本作が一味違う所は、早瀬美奈というキャラクターを創るのにもう一歩踏み込んでいるところである。 すなわち、なぜ彼女がこのように男を惑わすような少女になったのかといバックグラウンドがしっかりと描かれているのだ。

しかもその描写の仕方が一筋縄ではない。

直接的な表現は避け、「沈黙」や、「表情の変化」を繊細に描写することで、読者に「ほのめかす」という手法をとっているのだ。 その意味では本作は大人向けの作品と言える。小説では必須の「行間を読ませる」作品なのである。

ライトノベルは中高生向きの作品なのでそんな必要はないと思われただろうか。それは大きな間違いである。 大人向けの作品を書ける実力があり、あえて子供向けの書き方をしているのと、最初から大人の鑑賞に堪えうる作品を創る力がないというのはまったく意味が違う。

前者であれば、自分の創作物を完全にコントロールし、抑えの利いた非常に読みやすい作品ができあがるだろう。

しかし後者ではそもそも自分の実力ギリギリのところで創作物を作っているため、ところどころ荒削りになりやすい。
２０代前半の若い作者ならまだしも、３０を超えてそんなレベルで作品を書いていると、やがて飽きられてしまう。

当たり前だが、小説家は自分の実力以上の作品を書くことはできないのだ。

例えば芸術家のピカソがいい例だ。

「泣く女」や「ゲルニカ」等に代表される彼の絵は、素人が見ると子供の落書きに見える作品だが、その実とても芸術性が高いと言われている（筆者にはそれを理解できる芸術的センスは皆無だが）。

だが、彼は写実的な絵も描くことができるのだ。そしてそのレベルは非常に高い。

何が言いたいかというと、彼は優れたデッサン力を持った上で、あえてああいった作品を作っていたのだ。子供が滅茶苦茶に描いた絵とは訳が違う。

SEXFRIENDをプレイして、キャラクターとしてもう一段上の「大人な小悪魔ヒロイン」を書いてみよう。

まとめ

いかがだっただろうか。
エロゲーもライトノベルも、主人公とヒロインの「恋愛」という物が大きなテーマとなることが多い。 しかし大きな違いが、エロゲーがセックスまで行くのに対して、ライトノベルは多くの場合はそこまでいかないというところだ。

恋愛の行き着くところは性交渉だが、ライトノベルではそこに至る前段階の「ジュブナイル」を描写する。 様々なライトノベル作品の主人公とヒロインのその後を書いたとしたら、それはもしかしてエロゲーになるのかもしれない。

これは筆者の血迷った妄言だろうか。しかし本サイトの更新を続ければ続けるほど、ライトノベルとエロゲーの密接しか関係に気づかせられずにはいれらない。 ライトノベル作家を目指していて、未だエロゲーをプレイしていない方。ぜひともエロゲーの世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

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