あらすじ

主人公、遠山完治はごく普通の高校生だった。ただ一つ、彼が異常なほどの優れた視力の持ち主ということ以外は。

彼はその常人離れした視力によって、相手の表情の微細な変化を読み取り、相手の嘘を見抜いたりすることができた。

そんなある日、屋上にいた彼は偶然風が吹いたことにより、二人の女子生徒のスカートがまくりあがって露わになった尻を見てしまう。

――必然、発揮される彼のハイスペック視力。

瞬時に二人の見事な尻のディティールを細部にいたるまで観察してしまった完治は、自分が無類の尻好きだということに気づいてしまう。

その時、二人の女子生徒の内の一人、氷雨川雫はゆっくりと完治に近づいてきた。その顔に嗜虐的な笑みを浮かべて――

尻とは神が人間に与えた芸術なのか。そんな尻の可能性を極限まで追求する、ストーリー。

チェックポイント！

全ての尻スキーたちに贈る

エロゲー界で、おっぱいに焦点を当てた作品は数あれど、お尻をクローズアップした物語はほとんどなかった。

本作は、世界中の尻フェチたちに向けて、ApRicoT Cherryより送り出す、正真正銘のお尻物語だ。

お尻への妥協なき探求心をこれでもかと詰め込んだ、こだわりの逸品を通して、「フェチズム」の理解を深めることができる。

尻の圧倒的描写力に陶酔する

本作の尻CGのこだわりと言ったら凄まじいものがある。

さらにその尻の素晴らしさを十二分に伝えるためのライターの描写力もピカ一である。

こういった突拍子もない企画を思いついて、実際に発表できてしまうのがエロゲーという媒体の素晴らしさである。

表現の新しい可能性を求めて、いざ本作をプレイせん。

肉体描写力を強化したい人へ

「お尻っ娘ヴィーナス」。

タイトルからして普通のエロゲーとは一風違った雰囲気が漂っている。

本作は「お尻」が好きな人々（※通称尻スキー）のために制作された尻スキーのためのゲームである。

筆者は特に尻スキーではないが、周辺情報を調べているだけでもただならぬ情熱を感じたこの意欲作をプレイするのにやぶさかではなかった。

いざプレイしてみると意外や意外、本作はかなり真面目な作品であった。
いや、もちろんコンセプトから馬鹿馬鹿しさはあるのだが、その馬鹿馬鹿しさを「真面目に」やっているのだ。

本作では「お尻」を表現するために、ありとあらゆる方法を取りつくしている。
グラフィックを追及するのはもちろんのこと、文章表現においても尻の素晴らしさを形用する単語を根こそぎ投入しているのだ。


――「日本人離れしたドヤ尻」
――「小ぶりでムッチリとしたプリケツ」


「ドヤ尻」なんて意味が分からないながらも無理やり納得させられてしまうパワフルな表現を、筆者はこれまで見たことがなかった。

上記した以外にも、星の数ほどの「尻描写」がこれでもかと羅列される。 あまりの表現力に感心しきりだった筆者だったが、はたと我に返り、思ったのだ。


――この表現の雨を浴びれば、ライトノベルの表現力アップにつながるんじゃないか。


ライトノベルにおける、肉体描写の重要性はどれくらいあるだろうか。実はかなり大きい。

それはズバリ、ヒロインの肉体的魅力を読者に伝える場面で必要とされるのである。

はがないの「柏崎星奈」のようなナイスバディのヒロインに限らず、その子がどんな顔で、どんな体系で、どんな服を着ているかという描写をおろそかにしてしまっている投稿者は多い。
挿絵があるからという驕りがどこかに出ているのかもしれない。

「腐り姫」の項目でも書いたが、はじめから挿絵に頼るのはラノベ作家失格である。某巨大掲示板でラノベ作家の文章力ランキングが投票形式で行われている事実もあることから、ライトノベルの読者はしっかりと作者の文章力を見定めていることは明白なのだ。

また、バトルの描写をする場合も肉体描写は重要性である。
「敵の銃弾がヒロインの頬を掠めた、彼女の頬にひとすじの切れ目が入り、そこから血がにじんだ」
このようなお粗末な描写では、バトルの緊迫感も台無しだ。

「お尻っ娘ヴィーナス」の熟練の尻描写を堪能して、本物の肉体描写力を身に着けよう。

まとめ

いかがだっただろうか。
世の中には様々なフェチズムが存在する。その世界はまさに無限大だ。

ところであなたは「表現者になる覚悟」について考えたことはあるだろうか。
筆者の友人に「劇作家」を目指している女性がいた。彼女は自分が書いた台本を、プロの劇作家に見せた所、こう言われたそうだ。

「物語を書くという事は自分のすべてをさらけ出すことだ、それができないならば作家の道は諦めたほうがいい」

このセリフを聞いた彼女は、しばらく考えた後、自分には無理だと劇作家への道を諦め、家庭に入った。

創作物には、どうしても創作者の好みが反映される。そしてその「創作者の好み」は、世間から怪訝な目で見られる可能性もあるのだ。

この「お尻っ娘ヴィーナス」にしてもそうだ。
もし世の一般女性が本作の存在を知れば、開口一番「キモイ」と吐き捨てるだろう。
そして世間は本作を創り上げた人間を「女の尻好き」だと断定するだろう。ともすれば、作者の人間性さえも疑われかねないのだ（筆者は本作肯定派です、あしからず）。
かと言って自分の趣味趣向がにじみ出るのを抑えた作品が通用するほど、世の中は甘くない。

「俺はこれが好きなんだ！」というあふれんばかりの情熱を全力で叩き付けてこそ、何らかの反応を得ることができる。 その反応が必ずしも好意的なものとは限らない。自分という人間にどんなレッテルを張られても、好きな物から逃げない覚悟を全てのクリエイターは持つべきなのだ。

最新情報＆更新情報

▲ページトップに戻る

ホーム　|　作品紹介　|　コラム　|　リンクサイト　|　サイトマップ（近日公開）

Copyright (C) 2014 エロゲーをプレイして、ライトノベルを書こう！All Rights Reserved.　design by tempnate