あらすじ

とあるお屋敷で目覚めた少年。

記憶をすべて失っていた彼は、そのお屋敷の”かとる”として生活していく事になる。

お屋敷に住む４人のお嬢様から”いっぷ”という名の調教を受け続ける彼。鞭で打たれ、尻にペニバンを突っ込まれ、挙げ句の果ては屋敷に住む別のメイドと変態セックスまで強要される始末。

登場人物全員がどこかおかしい。深まる狂気、そしてこのお屋敷の真実とはーー

チェックポイント！

ブラックサイクの贈る、”調教ゲー”

本サイトでも何度か紹介している一般人お断りメーカー”ブラックサイク”の作品である。

”調教”をテーマにした本作は、終始とあるお屋敷の中で主人公が”いっぷ”と称して痛めつけられ続けるという他では滅多にお目にかかれない内容となっている。

しかし物語の最後では、ただの虐待のみではない不可思議な感動を得ることができる。

真の意味での閲覧注意

これまでこのサイトではあらゆる”要注意”作品を紹介してきた。この作品も間違いなくその中の一つとなるだろう。

誰かが痛い目にあうのを観るのが耐えられない人は間違ってもプレイしてはいけない。

主人公はもちろんの事、屋敷に住む二人のメイドも精神的、肉体的苦痛を与えられ、苦しみの絶叫をとどろかせる。

逆に”それが大好き”な人間にとってはたまらない作品となるだろう。

"洗脳”を書きたい人へ

ブラック企業で人間的な扱いを受けずに働き続けているにも関わらず、その会社を辞めない人がいるのはなぜだろう。

もちろん経済的な理由や、辞めてしまっても次の就職先に困るなど、様々な理由があるだろう。しかし辞めずに体を壊してまったり、自ら命を断ってしまうくらいなら緊急避難措置として退職した方がマシなはずだ。

これは筆者の持論だが、そういう人たちは自らのアイデンティティをその会社の社員という立場に縛り付けれられてしまっているのではないかと思っている。

にわかには信じ難いことだが、会社に行って上司から怒鳴られ、同僚からは罵倒されるという日常が自分自身のアイデンティティであり、それにより心の安定を保っているというケースが実際にある。

さて、なぜこのような話をしたかというと、本作”夢幻廻廊”の主人公”タロ”も同じような状況に立たされているからだ。

タロは物語の冒頭から記憶を失った状態でお屋敷の中で目を覚まし、目の前にいた”奥様”からそのお屋敷の”カトル”として生きる道を提示される。

カトルは”いっぷ”という名の調教を屋敷の４人のお嬢様の一人から一日一回施される。それは虐待とも言うべき強烈な肉体的苦痛を伴うものであり、タロは幾度となく屋敷を逃げ出す。

しかしどうした事か彼は追われている訳でもないのに、自ら望んで屋敷に戻ってしまうのだ。彼はお屋敷の外の世界を”灰色の世界”と称したが、人間的なつながりが極めて希薄な日常にもはや彼は耐えられなくなっていたのだ。

人間には承認欲求があり、誰からも必要とされずに生きることはかなり辛い。記憶を失っていたタロにとってはことさら堪えたことだろう。

たとえ激痛を伴う行為の中でさえ、いや、だからこそ人間と人間の強烈なつながりを見いだした”タロ”は自分でも気づかぬまま屋敷以外では生きていられない体となっていたのだ。これはまさに”洗脳”ではなかろうか。

本作の結末がどうなるかは、是非とも自身の目で確かめてほしいが全ての謎が明かされることはないため、もやもやが残るかもしれないことは明記しておく。

夢幻廻廊をプレイして、”洗脳”を書いてみよう。

まとめ

いかがだっただろうか。

本作はこれまでこのサイトで紹介してきた作品の中でも、飛びぬけて挫折率が高いと思われる。
なぜならまずストーリーの難解性が極めて高い上に、同じテキストを10回近く繰り返して読むことになるからだ。

中盤からラストにかけてはまさに「作業」と化してしまい、繰り返される同じテキストの中に隠されたストーリーラインを見出すのは相当に難しい。
確実にエロゲー上級者向けの作品である。

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