あらすじ

それは人の業なのか。

突如として始まった、負ければ大切な人を失う不条理極まりないゲーム『会』。

それは海辺の静かな田舎町に住む少年少女たちを戦いへと駆り立てた。

――信頼は力へ、不信は敗北へ

人と人とのあり方を問う、感動のヒューマンドラマ。

チェックポイント！

るーすぼーい最新作

エロゲー界では数少ない「名前買い」ができる実力派シナリオライター、るーすぼーいの最新作である。

本サイトでも紹介している「車輪の国、向日葵の少女」「G線上の魔王」という名作を生み出した、エロゲー界のレジェンドの一人だ。

そんな彼の7年ぶりの最新作とあって、本作の制作が発表された時は大きな反響を読呼んだ。

人間関係がテーマ

これまでも斬新な切り口の作品を発表してきたるーすぼーいの今作のテーマは「人間関係」である。
これは筆者の感想だが、SNSが発達してかりそめの人間関係の中を生きている私たちに警鐘を鳴らすような作品に思えた。

人と人との信頼関係は、直接の対面なくしてはありえない。
ましてや、相手に命さえ預けられるような”信頼感”は、そうそうに育つものではない。

あなどれない作品である。

”絆”を描きたい人へ

ライトノベルに限らず、あらゆる物語の共通点として、主人公以外のキャラクターは主人公を引き立てるためにある。

こんな書き方をすると身もふたもないが、実際そうなのである。

友達や恋人などの「仲間」は当然として、敵やライバルでさえも彼らを打ち倒した時の主人公の成長を描くために存在している。

だが、そんな脇役たちが主人公を引き立たせるには、その人間関係をリアルに描く必要がある。

例えば、かつての敵が主人公のピンチに駆け付けるという王道の展開一つとってもそうだ。
普通、敵だった人物が主人公のピンチを助けに来るわけがない。何かしらそうなるに至った納得できる理由が必要だ。

例えば、「対立はしていたが実は同じ信念の元に戦っていた」とか「守りたかった物は同じで、その手段の違い故に対立していた」などの理由でもいい。
そういったエピソードを示して初めて、前述したようなシーンが納得できる感動として、人々の胸を打つ。 本作「僕の一人戦争」では、テーマが人間関係ということもあって、とかく自己を犠牲にしての助け合いシーンが目立つ。

主人公が己を犠牲にしてヒロインを守る。仲間たちが身を投げ出して主人公を助ける。

こういった行動一つ一つに明確な理由をエピソードとして提示しているからこそ、プレイヤーはそこに深い感動を覚えることができるのだ。

ただキャラクターが身を犠牲にして死ねば、それだけで人は感動するという浅はかな勘違いをしている人間には、是非ともプレイしてほしい作品だ。

まとめ

いかがだっただろうか。
ちなみに本作、所要プレイ時間が色んなサイトで10時間から15時間と書いてある。 しかし筆者は、会社から帰った後1日2〜3時間プレイしておよそ20日間かかった。

20日間毎日はプレイしていなかったが、どう少なく見積もっても30時間はかけている。

これまで50本以上のエロゲー、ノベルゲーをプレイしてきた筆者だが、もしかして普通の人よりも文章を読むスピードが遅いのかもしれないと、少し落ち込んでしまった。

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