Maggot baits

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あらすじ

関東邪法街―

かつて日本の関東地方中核都市であったこの場所は、”魔女”たちの突然の出現によって変わりはてた。

政府からも見捨てられ、治外法権都市となったこの場所は、多重債務者や重犯罪者、反社会的組織などの娑婆では到底生きていけない者たちの巣窟と化す。

国土上から抹消されたこの土地で、復讐を糧に生きる男が一人の魔女と出会った時、凄惨な物語が幕を開ける。

チェックポイント!

Clock Upが贈る、骨太のダークファンタジー

ハードコアな作品を多数制作しているエロゲーメーカー、Clock Upから発売された本作。

現代の日本が舞台となっているが、魔女の存在や国から見捨てられた遺棄地域が舞台となっており、実質的にダークファンタジーであると言えるだろう。

本作の特徴として文章がかなり骨太であり、宗教関連の話や哲学的な内容も多く含まれるため、物語をがっつり楽しみたい人にとっては大いに満足できる作品になっている。


美少女の拷問に次ぐ拷問

さて、美少女の拷問シーンの名手と言えば、ブラッサイクである。

しかし、本作はその牙城をも崩しかねないほどの凄まじい美少女拷問が満載だ。

作品の3割近くが美少女拷問シーンかもしれない。

最後の方では、拷問を受ける美少女の叫び声がもはやBGM感覚となってくる。
(「ファラリスの雄牛」をエンタメ作品で見たのは驚きである)

余談だが、エロシーンでのヒロインの快感表現でハートマークを使用した例を初めて見た。
50作品以上をプレイしてきたが、なぜこれまでこの表現をする作品に当たらなかったのだろうと思うが、調べてみると結構あるらしい。

筆者は基本的に泣きゲーを中心にプレイしてきたので、性的興奮を煽るこの表現に今まで当たらなかったのだろうと結論付けようと思う。


"ダークファンタジー"を書きたい人へ

鬱展開、グロ、精神攻撃、暴力、そしてバッドエンド等の要素を含むライトノベルの総称として「暗黒ライトノベル」というジャンルが存在するそうだ。

より普遍的かつ一般的な呼び名に置き換えると「ダークファンタジー」がこれに当たるのではないかと思われるが、「されど罪人は竜と踊る」という作品が「暗黒ライトノベル」の元祖と言われている。

「ダークファンタジー」は、ライトノベル以外でも「鋼の錬金術師」や「ダレン・シャン」などの漫画・小説にも広く存在する。

さて、ラノベ作家志望のみなさんの中にも、ダークファンタジーを書きたいと思っている人は多いのではないかと思われるが、数ある執筆ジャンルの中でもダークファンタジーは特筆して敷居が高い。

このジャンルは世界観を構築する際に、そのかなりの部分を作者の想像力に頼らざるを得ないという難点がある。

そもそもファンタジー自体が想像の産物であるが、”ダーク”ファンタジーというからには、その世界の根底にどす黒い何かが流れている必要がある。

この「どす黒い何か」とは、作家の心が抱えている闇ではないかと筆者は考えている。

荒廃した世界、狂気に駆られた人々、反社会的組織による凶悪犯罪の横行。こういった「設定」をただ淡々と描くだけでは、ダークファンタジーの世界観を構築するのは難しいのではないか。

そういった意味では、プロの作家の中でもダークファンタジーというジャンルを書ける人は限られていると筆者は考える。
さて、「Maggot baits」は間違いなくダークファンタジーであるが、この作品はどうしようもなく狂っている。

何が狂っているといって、キャラクター、ストーリー、世界観全てが狂っていて、極め付けはその凄惨な拷問シーンの数々だ。

物語のスパイスに拷問シーンを挟むのではなく、拷問シーンの合間にストーリーを展開しているような作品である。これが狂っていなくて何が狂っているのか。

だが、本作のライターは間違いなく心に「ダークファンタジー」を書くの必要な闇を内包していると確信できる。

狂気に支配されたサイコな登場人物たちが織り成す愛憎劇は思わず見入ってしまう中毒性があり、そのカオスな物語でもラストは必ず主人公と正ヒロインの純愛に帰結するというライターの手腕にも舌を巻く。

拷問やグロが受け付けない人はフィルターやスキップ機能を使ってでもプレイしてみる価値がある。

この作品をプレイすることは、あなたがダークファンタジーを書ける闇を内包しているかどうかの試験の役割を果たすだろう。

安易な気持ちで手を出すジャンルではないことが分かると思う。

まとめ

いかがだっただろうか。

Clock Upはハードコアなエロゲーを多数出しながらも、時々こういった深い作品を出すから侮れない。 皆さんも、このメーカーはこういう作品しか出さないという先入観を持たずに、色々な作品をチェックしてみよう。

メーカー色から外れた思わぬ掘り出し物を発売しているケースは結構ある。

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