１本分のエロゲーの全ての文章が収録された本が売られている

フルプライスのエロゲー1本分の文章量は長大なものになるが、なんとその文章が一冊の本にまとめられた「シナリオブック」が発売されている。

エロゲー業界でも有数の名ライター、丸戸史明氏の作品「世界で一番NG（ダメ）な恋」のシナリオブックである。
作品紹介はこちら
⇒作品紹介：世界で一番NGな恋。

完全なコレクターアイテムで採算性が見込めないのか、現在この本の新品を見つけるのはほぼ不可能だと思われる。

現在はAmazonで中古で手に入れることができる（Amazonページはこちら）。
さっそく中身を紹介しよう。

チェックポイント！

冒頭はCG集

最初のページを捲ると、表紙のヒロインたちのサービスショットページからスタート。

さらに、本編で使われたCGが羅列される。

中にはゲーム未使用のCGもあり、制作の裏側を覗かせる。

続いてフローチャート

CGページが終わると、「進行チャート&目次」のページに移る。
エロゲーの「分岐」がチャートになってまとまっている。
実際の制作現場では、こうやってチャートを整理して作品を作っているのかもしれない。

残りは全て本文

チャートのページが終わると、いよいよ本文スタートだ。

画像を見てもらってもお分かりの通り、大型本にもかかわらず、とても小さい字でびっっっしりと書いてある。 この密度で269ページにも及ぶ分量なのだから、エロゲー一本分の文字数がどれほどのものか、否が応でも実感できるだろう。

文章の合間にはところどころ該当シーンのCGが挿入され、ゲームプレイ後であればその場面が頭に浮かんでくるだろう。

こういったシナリオブックがなければ、エロゲーライターの文章の分析は、実際にゲームを起動してプレイする以外に方法がなかった。 しかしシナリオブックがあれば、さながら小説を読むようにじっくりとエロゲーライターの文章を研究することができる。

特に、ラノベ作家を目指しているのであれば、「会話のシーン」を集中して読んでみよう。
ゲームプレイ時の、クリックで文章を送りながら読むのと違って、会話の一連の流れを俯瞰して読むことができるので、大変参考になる。
ところで、他の作品のシナリオブックもないものかと探してみたのだが、筆者はついぞ見つけることができなかった。

エロゲーという媒体がかなりのニッチな分野であることに加え、シナリオブックまで買うようなコアユーザーはさらに希少だと思われるので、恐らくは採算が取れないのであろう。
とても残念であるが、それでもこのシナリオブックをだけでも出してくれた出版社に心から感謝申し上げたい。

まとめ

いかがだっただろうか。

上記で、エロゲーのシナリオブックは採算が取れないと書いたが、実は筆者は密かにシナリオブックが復活するのではないかと思っている。

ずばり「クラウドファンディング」だ。
クラウドファンディングとは、企業などが何かしらの企画を実現するための資金を募ることである。

例えば、この作品のシナリオブックを作るから、そのための予算○○万円の協力をお願いします。目標金額に達したら、作成開始！　といったところだ。
なお、多くの場合クラウドファンディングの資金提供者は、その金額に応じて見返りを得られる場合が多い。 これまでエロゲー関連のクラウドファンディングでは、エロゲーがアニメ化したり、エロゲーのBGM収録のオリジナルアルバムが作成されたりと、中々の盛り上がりを見せている。

皆様もこの機会にクラウドファンディングに出資してみては?

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